煮物を作ったはずなのに生ごみだった話

小学生の頃、父は出張で日曜日しかいなくて、母は父がいない昼間は買い物かパチンコでほぼ毎日いませんでした。祖母は家にいたけど、ラジオ聴くか散歩、たまに縫い物しかしてなかったので、私は1人で昼ごはんを作って食べていたんですが、今ほどネットが一般家庭に普及していなくて、お小遣いもなかったので、インスタントラーメン以外を食べたかったら、図書館で本借りるか、自分で想像するしかありませんでした。

 

母に料理を教えて貰おうにも、手際が悪かったりするとものすごいキレられて、人格否定発言まで発展するし、キッチンを使うことに対して余り好きではなかったようで、結局、母が自分でやってしまうので、もういいやーって。

 

で、1人で作ることが多かったんですが、煮物を食べたくなってですね。作ろうとしたんです。

まずね、じゃがいもはいいんですけど、出汁ってどうするん?という。

出汁はどうしたらいいのかわからなくて、冷蔵庫に入ってた『ちりめんじゃこ』を入れてじゃがいもと茹でました。

しかし、じゃがいもがちりめんじゃこまみれになってしまったので、思ってたやつと何か違うと思って、ちりめんじゃこを取ったほうがいい気がしたんですが、どうやって取ればいいのかわからなくて放置しました。

 

その後、醤油をいれまして。

みりんを入れようと思ったんですけど。あの頃みりんと酢の違いがわからなくて、取り敢えず冷蔵庫にあった別容器に入ってる酢を入れたんですよね。

 

味見をしたら、これは煮物ではないと確信しまして、摩訶不思議な味だったので、これは煮物への前段階なのかと思い、砂糖を入れたんですけど、更に煮物から遠くなったので、塩を入れたり、醤油入れたり、また砂糖入れたりを繰り返したんですよね。

 

でも、これ以上はどんな調味料も入れてはならないと脳が危険信号を察知しまして。冷めたら煮物になるのかもしれないと思い火から外し、少し冷めてから食べてみました。

 

びっくりするくらい生ごみみたいな味でした。何がいけなかったのか意味がわからず。今まで失敗しても食べ残さずにやってきたんですが、一口以上食べられないと…。

 

別の部屋に父がいることを思い出し、父に食べさせに行きました…。匂いで察したのか食べてくれませんでした。

 

母が帰ってきたので、母に言ったら勿論怒られました。

その後、酢が間違えだったことを知りました。勉強になって良かったです。