おばあちゃんについて

今から20年以上前に亡くなっているのですが、私の母方の祖母は物凄いゴツい人でした。

何がってそりゃもう骨格が凄くて、母もその血を少し受け継ぎ、私に至っては2周りほどダウンしてしまった有様です。ちなみに肉は良くついています。

 

で、まぁおばあちゃんの話に戻ります。母の話によると、おばあちゃんは地元のお嬢様が通うような女学校に行っていたそうです。オリンピックにも行けそうなくらいの砲丸投げ選手だったそうで、本当なのかはわかりませんけど。それくらいゴツかったということでしょう。

このおばあちゃんは、もうとんでもなく恐いババアでして。私が小学校に入ったと同時に同居が始まり、あまり生活態度で細々と言われることはありませんでしたが、食事中行儀が悪いと腕にデコピンされ、小学校低学年の頃は門限(門限17時)を5分遅れてしまい玄関先で思いっきりビンタされて、食事を抜かれ、閉め出されるという。まぁまぁ強烈な体験を一度しました。

その後、家に入れてくれてご飯を食べさせてくれましたが。

こんな恐ろしいおばあちゃんでしたが、更に恐ろしいことに宗教家でもありました。

家はごく普通の仏教なのですが、同居してからは毎週日曜の朝早寺に説法を聞きに行き、問答無用で私も連れて行かれました。ジジババがぎゅうぎゅうの寺の本堂にたまに私のような子供もいましたが、皆置物のように静かでたまに足が痛くて、泣いている子も。

お経中は、静かにしてないとおばあちゃんが恐いので、空想にふけることで耐え忍びました。お経後のお説法は面白かったので結構好きで、唯一の楽しみでした。その後寺で用意してくれたお弁当を皆で食べるのですが、弁当なんていいから早く帰りたくてしかたがありませんでした。日曜の苦行は、おばあちゃんが寺の住職さんと喧嘩するまで続きました。

おばあちゃんとの思い出は、なかなか濃いものばかりですが、このなかなか強烈なおばあちゃんがいなかったら私が産まれていなかったかもしれない、私の子供が産まれていなかったのかもしれないと思うと、なんだか感慨深いものがあります。