弁当作り

子供が幼稚園に行くようになり、弁当作りをするようになりました。

 

どちらかといえば弁当作りは苦手なのですが、ましてや自分の子供とはいえ人様の弁当。自分の弁当なら超超適当にできますが。

 

思い出しましたよ。私が若かりし頃、仕事場で手作り弁当持っていった時のことを。

 

初めての東京での一人暮らしで、家出ではないけれど、親の反対を押しきって強引に家を出た感じだったので、誰も頼れず。お金もそんななかったし、コンビニも飽きてしまって、自分で弁当作ることにしたのです。

 

それでですね。いかに簡単に安く弁当を作るか試行錯誤しながらやってたんです。その頃の職場の休憩場所には、レンジがあって皆、各々の弁当を温めたりしてたわけです。私は冷たいご飯が好きなので温めないのですが。

いいアイデアをひらめきまして。家で切ったじゃがいもを弁当箱に入れて、職場のレンジでチンをするという、超簡単な弁当を。

アホだったんですね。

 

その日、じゃがいもを切っただけの弁当を持ち私はウキウキしながらレンジに行こうとしたんですよ。

 

そしたらですね、事もあろうか、その日に限って課長が弁当温めてやるよ!ってかなり強引に私の弁当箱を奪いレンジでチンしてくれたんのです。想定外でした。

 

課長は気のいいお調子者的なおっさんなのですが、なかなかマイウェイなところもありまして、そこがまた皆から愛されるところなのでしょうか。

 

話がそれてしまいました。部下の弁当箱を温めてくらた課長は私に「すごいじゃん、自分で作ったの?どれどれ」と、課長は私の制止を無視して弁当の蓋を開けたんです。

 

私の頭の中では、フライドポテトになっていると思ったんですがね。課長は突然静かになって止まりました。次の発言まで少しの間がありましたが、ものすごく長く感じましたね。そして「これ、なに?大丈夫?紫色じゃん」って。

 

みるとじゃがいもはフライドポテトどころか、小学生の頃の理科の実験でみた、じゃがいものでんぷん質の分解かなにかで紫色に変色したアレになっていました。

実験ポテトと称しましょう。実験ポテトになっていたんですね。これには本当に驚きました。

何故今日に限って課長は、私の弁当を温めたのか、そのせいで皆の知るところになってしまったのです。何故、私はじゃがいもを切った後に切り口を洗わなかったのかと。色々思いましたが、課長の遠慮がちな、大丈夫か?という言葉に「だ、大丈夫です」と言うしかなく、食べました。これは完全にアホやらかしましたね。

 

それから課長は私の弁当箱触れることはなくなりましたが、周りの方々が私の弁当の中身に興味を持たれたのです。これはいけないと無難におにぎりとカップスープに切り替えました。

 

後にその職場の友人から「弁当箱の中身凄かったよね。ご飯の隣に小さいカップのゼリーが沢山入ってて、あの時はビックリした」と言われましたが。そんなこと忘れていましたし、記憶にありませんが、今は冷凍食品にも頼りながら子供にはごく普通の弁当を作ってます。