幼稚園の頃、ケーキが嫌いでした。
なぜならこの世のケーキはすべてバタークリームのケーキ(私はクセがあって苦手だったのです)だと思っていたから。
ただこのバタークリームのケーキ、母が大好きで、誕生日もクリスマスもこのバタークリームケーキがでてくる。だから何も知らない私はケーキは嫌いとなっていました。
ところが、ケーキに対する思いに変化が現れる出来事が…。
ある時、近所にいる同い年の女の子の家でクリスマス会をやると誘われたのですが…ちょっと自慢ばかりの子でめんどくさかったのと、ケーキが出るということで(人様の家に遊びに行って、出されたケーキは絶対完食しなければならいのでは…と)母に何が何でも行かないと言い張り、当日家で1人塗り絵をやっていました。
ケーキは回避したと安心したのもつかの間、夕方にクリスマス会で出したケーキ(生クリーム)を近所の女の子のお母さんが持ってきてくれたのです。
サランラップがかかったケーキ(生クリーム)をみて、何とも言えない気持ちに。
母は生クリームのケーキが嫌いだったので、私に食べるよう言いました。何度も言うので、仕方なく一口食べると。
…あれ?普段のケーキと違うぞと思いましたが、ケーキに苦手意識があったので一口でやめ、しばらくさっき食べたケーキについて考えはじめたのです。
(さっき食べたケーキは、美味しくないどころか美味しかった気がする。いや、ケーキに限って美味しいわけがない、でもさっきのは違ってた…。何なんだろう…。)
その後、謎がわからないままでしたが、チーズケーキは食べれることに気がつき、ケーキが出るイベントの時はチーズケーキにしてもらっていました。
これが小学校3年くらいまで。なぜかというと、チーズケーキを食べていたら突然鉄の味がしてそれ以降食べられなくなったから。
チーズケーキがだめになり、次はアイスケーキに移行します。
その後、小学校5年に家庭科の調理実習でケーキを作ることに。この時初めて生クリームケーキの美味しさを発見しました。そしてバタークリームケーキの違いにも気がつきまして。
私が家で食べていたのはバタークリームだったんだと。だからケーキが苦手だったことがわかりました。
学校教育のお陰でケーキに対して苦手意識はなくなりました。
でもバタークリームケーキって見た目が華やかで綺麗なんですよね。あの繊細なデザインは生クリームケーキにはなかなか難しそうです。