雪と毛ガニの思い出

幼少期、青森に住む祖母の家にしばらくいたことがあるのですが、冬は雪が玄関ドアの一番上くらいまで降り積もります。

 

朝から祖母は一人で家周り雪かきをしていました。私は一人で遊ぶしかないので、雪かきで出来た雪山に小鳥が入れるくらいの穴を開けて、小鳥のためのかまくらを作っていました。

 

その頃、私の母は前日の夕方毛ガニを食べていましたが、毛ガニの足が喉に入り救急搬送されて入院中だったのです。

なんとも間抜けな話ですが、私の母は毛ガニが大好きなんです。で、毛ガニの足の身を余すことなく食べるためにすぅすぅ凄い肺活量で吸うんです。なかなかシュールな光景で、幼心にこんな食べ方は絶対したくないと思ったものです。

で、まぁあの日の夕飯は毛ガニだったんですが、いつものように母は毛ガニの足を吸ってまして。喉に入って取れなくなり、救急搬送したわけです。人生で初めて救急搬送される様をみたのですが、恐ろしかったです。

 

救急搬送したかいもあり、母は一命をとりとめまして、元気でしたがしばらく入院ということに。

 

病弱な祖母の為に帰省したというのに。母が入院してどうするんだという感じですね。

 

そういうことがあり、祖母と慣れない田舎暮らしが一週間程ありまして。雪で想像遊びを一人寂しくしていたわけです。

 

もちろんその後家では毛ガニが禁止になりました。母も懲りたのか、毛ガニは食べなくなりました。