断食道場に行った話

若い頃に断食道場に一人で一週間行ったことがあります。

オリエンテーションでは、同じ日の参加者がグループとして集められていました。グループには中年男性一人、綺麗な若い女性が私を含め四人程いて、皆色々あるんだな、私も色々あった時期だったので、悩んでいるのは自分だけではないんだとホッとしたしような記憶があります。

 

断食道場には何人かのスタッフさんや先生、それから偉い人が一人いました。毎日集められて勉強会みたいなのがあり、偉い人がよく話をしてくれました。その方はおじいちゃんでしたが情熱的かつ、やや宗教臭があったので話半分に聞いていました。

 

食べない期間は、朝は一人で散歩に行ったり、午後は周辺の観光地に行ったり、本を読んだり、これからの計画を立てたり、一人で好きに過ごして空腹や食欲を凌いでいました。グループ内で仲良くなり色々なところに出掛けていく人もいましたが、私は一人でも平気な方なので他の人とは挨拶程度ですませていました。とはいえ仲良くなった方と終わりに観光地巡りしました。楽しかったです。

思ったほど空腹で苦しむことはなかったのですが、夢で焼きそばといちごドーナツを食べていました。大好物とかではないのですが、ものすごい炭水化物を欲していたのでしょう。

空腹もなんのそので自然しかない場所で過ごしていたら、毒気が抜けたというか余計な気力が無くなったというか、気がついたらとても穏やかな気持ちになっていました。

偉い人が終わりの集まりで、これから嫌な気持ちになってもここで感じた穏やかな気持ちを思い出して欲しい、この感覚を忘れないようにと言われふんふんと頷いたものです。これは今で言うアンガーマネジメントみたいなものなのかもしれませんね。私にとってこの経験は良かったと思います。嫌なことがあっても一人で静かに、あの時の穏やかな気持ちを思い出す。自分をニュートラルにと。

 

でももう一度断食道場に行きたいかといえば断食はしません。断食中は激しい運動はできなかったせいかわかりませんが、体力がぐっと落ちたように感じたので。今は家族もいるし、なかなか泊まりは難しい。あれは若い時にやったから良かったのかもしれません。ちなみにあの時のは3キロ程痩せましたが、家に帰って

すぐ戻りました。